黒色人生

23歳女フリーターの日常

日記【54】

留守電が入っていた。

滅多にないのに誰だろう?と少し緊張気味にそれを聞いた。

 

「元気だがー?わらび冷凍しったがらなー。」

 

声の主は我が愛する祖母である。

 

山菜を冷凍しているという報告の留守電は少し面白かったのだが、同時に鼻の奥がツンとした。

 

あたしが家を離れても毎年変わらず祖母は、あたしが好きな山菜をとりにいき、保存しておいてくれる。膝が悪いので重労働だろうに。

 

いつでも帰ってきていいよ。と言われている気がしてちょっと泣きそうになった。

 

愛せる人がいて愛してくれる人がいて帰れる家があるのはとても幸せなことだ。

あたしはこれに気付くのに20年もかかってしまった。

 

年々家族への愛は重くなる。

いっそ家族みんな不老不死になってくれと思う。

 

さて、山菜食いに帰るか!